上林 暁 : 創作(小説)集一覧

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 上林暁の人生と作品

本一覧は「上林暁全集 1〜19」(2000〜2001年・筑摩書房発行 増補決定版)に拠る。

注1. 「脱稿時期」欄は、上林が作品の末尾に記した日付け。記載がない作品は
作品内容や他の記述などから執筆時期を推測して( )内に記した。
注2. 「私のメモ」欄は、作品内容に関する本ページの作者の備忘録的な記事。
 は、戦後、上林自身が“自選創作集(計11冊)”の中に選んだ作品。
(内容的に、あるいは話題性などの面から、注目すべき作品が多い。)
 「郷里」は、題材(人物、出来事)、舞台などが郷里に深く関わる作品。
 「友人」は、高校・大学の友人、文学青年仲間とのことが題材の作品。
・ 「自身」は、上林の境遇や感慨、心境、行動など、体験・自伝的作品。
 「浜野」「病妻」のように、主人公や題材の特徴を記載した場合もある。
(上林の小説の登場人物は本名ではないので、推測による判断である)
注3. 「巻」欄数字は、「上林暁全集 1〜19 (増補決定版)」の収録巻を示す.。
注4. 全29冊の創作集のほか、戦後の早い時期に、11冊の自選創作集を刊行
しているので、その創作集名と収録作品も合わせて後記した。


  第1創作集 「薔薇盗人」 (S8.7.15発行 : 金星堂刊)   (S14/10に表紙のみを変えて再刊)

収録作品(目次順) 脱稿時期 初 出 私のメモ
 薔薇盗人 S7/6 S7/8 <新潮> 貧しい家族(郷里)  初期代表作 1
 敗れて敗れた男 S5/3/8夜 S5/4 <風車>  妻は浮気?(郷里) 1
 鉄橋の別れ S7/5 S7/6<新科学的> 女工の集団帰郷(郷里) 1
 パン屋の驢馬車 S6/11 S7/2<文学クオタリイ>  学生夫婦 1
 風はユーカリ樹に S7/5 S7/6 <新文芸時代>  書生をした経験 1
 アパートの葬式 S5/10/9夜 S5/11 <風車>  先妻の娘の死 1
 花園に向いた部屋 S7/9 S7/9<文芸首都>  自身?若母の郷里の母への近況報告 1
 アルキビアデスの犬 (S5〜S6頃) S6/10 <新潮>  負けた犬(郷里) 1
 渋柿を囓る少年 S元./5/4夜 S2/5 <風車>  退学中学生と父(郷里) 1
 京極と春子の関係 (S5〜S6) S6/4 <新作家> お妾と医学生の恋 1
 浅草のジョン・フォートランド氏 S5/7/19 S5/8<新科学的>  老俳優の来日と自殺 1
 星を撒いた街 S6/10 S6/11 <作品> 自身?(旧知訪問) 1
 薔薇盗人の後に  本創作集の後書 : 末尾に 「S8.7.10 滝野川西ヶ原にて」 とある 19


  第2創作集・作品文庫 「田園通信」 (S13.9.17発行 : 作品社刊)        

 古屋敷(原題「田園通信」) S10/4/28 S10/6 <作品> 自身・郷里  後に原題に戻した  2
 郷土詩人 S10/8/1 S110/10 <文学界> 自身・郷里  末尾に「郷里にて」  2
 神の子 S11/4/25 S11/6 <文学生活>  貧しい家族(郷里) 2
 海の涅槃 (S10〜S11) 不詳  幼子の水死(郷里)  2
 大学生 (S10〜S11) S11/11 <文芸通信>  自身(鼻の手術入院) 2
 田園通信後書   本創作集の後書 : 末尾に 「S13.7.20 杉並天沼にて」 とある 19

 
  第3創作集 「ちちははの記」 (S14.8.20発行 : 竹村書房刊)        

 はしがき  本創作集の序文 : 末尾に 「S14.7.12」 とある 19
 ちちははの記 (S12〜S13) S13/9 <日本評論> 自身・郷里 (私小説開眼)  2
 離郷記(原題「離郷」) S13/11 S14/2 <新潮> 自身・郷里 (私小説開眼)  2
 安住の家 S13/5 S13/6 <文芸> 友人 (私小説開眼)  2
 風前の灯 (S13) S13/9 <早稲田文学>  友人 (私小説開眼) 2
 学校 S12/8 S12/10 <文学界>  自身・郷里 (私小説開眼) 2
 町と祖母(原題「町の記憶」)  S12/6 S12/7 <作品>  自身・郷里 (私小説開眼)  2
 景色 S9/8 S9/10 <作品> 自身・郷里 2
 払暁  S11/5/9 S11/6 <三田文学> 貧乏文士 S9から書き、1年半中断  2
 牧歌調 S14/6 S14/7 <知性>  ”馬鹿平”という男(郷里) 2
 純粋への郷愁(跋にかえて)  S14/2 S14/2 <文芸>  文芸時評  16


  第4創作集 「野」 (S15.10.15発行 :装幀 橋本三朗 : 河出書房刊)        

 散歩者 S15/8/10 S15/9 <女子文苑> 自身 「百年小説」(2008)に収録 3
 野 S14/12 S15/1 <文芸> 自身 三島由紀夫が高く評価 3
 換気筒の影 S13/2 S13/3 <月刊文章>  自身 改造社の同僚 2
 天草土産 S8/11 S8/11 <新潮> 自身 永井龍男が注目・評価 1
 冬主義者 S15/4 S15/5 <知性> 自身 3
 幼友達 S14/8 S14/9 <若草>  自身・郷里 2
 寒鮒 S14/1 S14/2 <国民新聞>  浜野 新聞社のコンクール入賞作 2
 身体髪膚  S15/9 S15/10 <文芸>  自身 父母 3
 花の精  S15 S15/9 <知性> 自身 月見草・妻発病・妹・浜野  3
 在りし日 S8/8 S8/9 <若草>  妻 新婚日記 1
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S15.9.12」 とある 19


  第5創作集 「悲歌」 (S16.9.18発行 :装幀 奥森隆 : 桃蹊書房刊)        

 窓開く  浜野修による序文:「昭和16年初夏」 とある 19
 二閑人交遊図 S16/1 S16/1-3 <月刊文章> 浜野 “浜野物”の代表作  3
 湯宿 S15/11 S16/1 <日本の風俗>  浜野 3
 林檎汁 S14/9 S14/10 <新風土> 浜野 病妻 3
 鮠のたより S14/11/2 S14/12 <作品倶楽部>  浜野 3
 玄関抄 (S16頃) S16/6 <文芸> 自身 3
 少女(原題「少女酩酊」) S15/1 S15/3 <若草>  カフェ勤めの娘と父 3
 村夫子  S16/6 S16/7 <文学界>  父 自身 3
 たらちね  S14/3 S14/4 <月刊文章>  母 自身 2
 髪 S11/7/28 S11/9 <文芸汎論>  貧乏文士 2
 悲歌−ある作家の筺底原稿- S15/12 S16/2 <新潮> 病妻:「悲歌」と「筺底原稿」の二作を
       一編に改作したもの
3
S16/4 S16/5 <知性>
 団欒  S9/3 S9/3 <あらくれ>  自身 妻子別居時 1
 藁草履  S9/3/4夜 S9/5 <新潮>  四人の草履作り爺(郷里) 2
 町子  S16/3 S16/5 <オール女性> 妹、睦子 3
 田舎医者  S16/6 S16/8 <政界往来>  友人? 3
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S16.6.21夜」 とある 19


  第6創作集 「流寓記」 (S17.9.55発行 :装幀 岡鹿之助 : 博分館刊)        

 流寓記 S16/12 S17/1 <知性> 自身 3
 病める魂 S17/2 S17/4 <新女苑> 病妻(S16.12.29 妻を見舞った) 4
 貧窮問答 S16/11 S16/12 <公論> 自身 3
 侘日記 S16/11 S16/12 <新潮> 自身 3
 殴られた経験 S16/6 S16/8 <若草> 自身 郷里  3
 箸蔵山 S16/1 不詳  自身 祖母 郷里 3
 胞衣壺 S12/8 S12/8 <文学世界>  自身 次女(三子)誕生の日  2
 歴史の日  S16/12 S17/2 <新潮>  自身 S16.12.8:開戦の日のこと 3
 波間  S11/5/27 S11/7 <文学界>  友の溺死(郷里) 2
 竹藪の家(原題「母ひとり」) S10/1/9 S10/3 <作品>   貧しい家族(郷里) 2
 冬の栖 S17/3 S17/4 <文学界> 自身 4
 寒別れ S17/2 S17/4 <文芸世紀> 自身 3
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S17.4.3 神武天皇祭の日」 とある 19


  第7創作集 「明月記」 (S18.5.10発行 :題簽 川端康成 : 非凡閣刊)       

 明月記(原題「名月」) S17/10 S17/11 <文芸> 病妻(最初の入院〜退院) 4
 擬寶珠 S17/6 S17/8 <新風土> 自身 初対面読者3人への手紙 4
 不思議の国(原題「吝嗇漢」) S17/4 S17/5 <月刊文章>  自身 郷里 4
 夭折 S17/12 S18/1 <帝大新聞> 友人? 4
 茨の道 S16/3/16 S16/3 <女子文苑> 妹、彌生  19
 銅鑼 S8/10 S8/10 <文芸首都>  自身 老恩師父子 1
 紅い花 S17/12/3 S18/1 <新潮> 友人(秋沢) 4
 首途  S17/11 不詳 郷里(後輩の上京就職) 4
 失敗談(原題「座談会など」)  S17/7 S17/8 <若草>  自身 4
 秋一日 S17/12 S18/1 <赤門文学>   自身 4
 海山 S17/8 S17/8 <高校時代>  郷里(友と無銭旅行) 4
 烏の宿 S12/2 S12/3 <改造> 自身 2
 小説の題について(後記)   本創作集の後書 : 末尾に 「S18.2.27」 とある 19


  第8創作集 「機部屋三昧」 (S19.8.20発行 :装幀 青木茂 : 地平社刊)       

 機部屋三昧 S18/4 S18/8<新若人>  自身・初出「機部屋の若き日」を改作 4
 童女像 (1)S7/12 不詳 長女 末尾に「東京駒込にて」とある 3
(2)S11/2 長女 末尾に「郷里にて」とある
(3)S17/2 長女 末尾に「東京天沼にて」とある
 大学構内 S18/6 S18/7 <日本評論> 自身(義弟の受験)) 4
 外套譚 S18/3/8 S18/4 <文芸世紀>  自身(浜野?に借りた外套) 4
 二階の歌 S18/3 S18/5 <文庫>  郷里(精神を病んだ少女) 4
 青空 S6/10 S6/12 <文科>  自身(妻の初産時)  1
 鴨のいたずら  S6/1/15 S6/3 <現代文芸>  自身 郷里(鴨を捕る・・3題) 1
 家郷  S18/10 S18/10 <文庫>  自身(陶枕を父に贈ろう) 4
 赤襯衣の屋台 S7/9 S7/10 <三田文学>   自身(妻の初産時) 1
 ふるさとびと(原題「故郷抄」) S14/9 S14/10 <月刊文章>  郷里の人の消息を聞く 3
 晩年 S18/4 S18/5 <農政>  郷里(樽屋の徳をぢ) 4
 龍舌蘭の友 S18/10 S18/9 <新若人> 郷里(年長の友との交流) 4
 妻の身(1蔦の鉢 2詩人先生) 1. S12/11 不詳  自身 夫婦: 本創作集で 1.と2.を
 合わせて「妻の身」と題した
3
2. S15/10 S15/10 <若草> 
 童謡 S18/6 S18/7 <新潮>  自身(大衆酒場通い) 4
 蝿たたき S18/7 S18/11 <文芸世紀>  自身(僕蠅子は宿命) 4
 白雲郷 S18/8 S18/10 <創造>  浜野 4
 後書   本創作集の後書 : 末尾に 「S19.閏2.29朝」 とある 19


  第9創作集 「夏暦」 (S20.11.25発行 : 筑摩書房刊)       

 夏暦 S20/6/6朝 書下し  自身(S17夏、単身生活) 5
 小便小僧 (S18) S19/1 <文芸> 自身(子供の夜尿症) 4
 冬営 S19/5/4 S19/6 <文芸世紀>  自身(冬を越す自家) 4
 猿橋 S19/7/12 書下し  浜野 4
 散花 S20/1/20 不詳  郷里(特攻隊員の戦死) 4
 命の家 S19/5 S19/5 <新潮> 病妻(日帰り退院(架空)) 4
 唱歌 S20/2 S20/3 <新潮>  自身(隣家の家族) 4
 山羊供養  *下記 書下し  郷里(飼い山羊を食す) 5
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S20.7.13 陰湿去らぬ午後」 とある 19

           *「山羊供養」 末尾に、「郷里にて、S19/11/25稿。 東京にて、S20/4/22完」とある。


  第10創作集 「閉關記」 (S21.11.20発行 :装幀 恩地孝四郎 : 桃源社刊)            

    (「第10創作集」だが諸事情で第11創作集の「晩春日記」より2カ月遅れの出版となった)

 閉關記 S20/7/19 不詳  自身(戦争末期の一人暮らし) 5
 競争者 (終戦直後) 不詳  自身(隣家にいる中学生から手紙) 5
 はらから通信 S18/11 不詳  自身(弟との文通) 19
 めぐりあひ S20/3 不詳  自身(昔のおでん屋の母娘) 5
 天の聲 S17/12 S18/2<日本学藝新聞>  自身(近隣家の女の子の声と死) 4
 友樹と高樹 S20/10/17 本書  「弟は怠惰者である」(S4/1<風車>)
 を全面改作
5
 北国 S20/1 S20/1 <新文学>  自身(N市(新潟)講演) 5
 彷徨者  S20/9/20 S20/10 <新時代>  自身(日本橋界隈・狭山) 5
 年少の友 S20/10/20  不詳   自身(広島の旧知の息子の戦死) 5
 孤獨先生 -  不詳   自身(中学時代の老教師)  5
 第十創作集の後に  末尾に、「S20/10/21 東京都北多摩郡小金井町 櫻町病院にて」とある  19
 再後記   本創作集の後書 : 末尾に 「S21.1.30 午後」 とある 19

  
  第11創作集 「晩春日記」
 (S21.9.10発行 :装幀 青山二郎 : 櫻井書店刊)

 風致区 S20/11/12 S21/1 <新文藝>  自身(井の頭公園・田畑・病妻) 5
 きゃうだい夫婦 S20/12/5 S21/2 <婦人畫報> 自身(終戦前後の睦子とのこと) 5
 晩春日記 S19/5 S21/2 <新生> 病妻(S19/5の退院中) 5
 山峡一夜 S20/12/20 不詳  自身(戦争末期の一泊の旅) 5
 ゆかりの人々 S19秋 不詳  自身(S19次女同行.帰郷時の旧知) 4
 現世図絵 S21/1/7 S21/3 <文明> 病妻(S19夏・退院中-再入院まで) 5
 風船競争 S18/11 S21/2 <文藝新誌>  自身(戦中、町内運動会) 5
 嶺光書房  S21/1/12 S21/4 <新世代>  自身(戦争末期の自作品出版) 5
 聖ヨハネ病院にて S21/3/6  S21/5 <人間> 病妻(S20秋・宇田病院へ転院前)  5
 四国路 S21/3/14  S21/4 <文藝春秋>  自身(S19/11・次女疎開で同行帰郷)  5
 晩春日記覚書  本創作集の後書 :末尾に「昭和21年7月晝31日」とある:(亡妻筆の挿絵一葉)  19


  第12創作集 「嬬戀ひ」
 (S22.2.5発行 : 非凡閣刊)  

 滞郷記−第二ちちははの記 S21/8/31 S21/8 <高原>  郷里(父母):原題「滞郷小品」 6
 遅桜 S21/1/19 S21/5 <座右寶> 病妻(S16・S17春 義父・義妹見舞) 5
 夜霊 S21/7/8 S21/8 <世界文化>  病妻(入院前) 6
 縞帳 S20/11 S21/6 <新文学>  自身(追憶の断片集) 5
 母堂 S21/3/14 S21/6 <早稲田文学>  自身(病妻・T氏(戸坂潤)とその母) 5
 女戒 S21/4/25 S21/7 <思索> 病妻(見合いした夢) 6
 嬬戀ひ S21/7/29 S21/9 <展望> 病妻(妻の死) 6
 麦秋  S17/6 不詳  自身(高幡不動‐百草園‐大国魂) 4
 後書   本創作集の後書 : 末尾に 「S21.10.6夕」 とある 19


  第13創作集 「死者の聲」 (S23.1.20発行 :装幀 青山二郎 : 実業の日本社刊)
 

 死者の聲 S21/11/22 S22/1 <群像>  亡妻 6
 庭訓 S22/1 不詳  亡妻(3人の子への手紙) 6
 スケッチ・ブック S21/10/5 S22/1 <新女苑>  亡妻 6
 擬寶珠庵 S21/3 S21/11 <藝術>  自身(居宅のこと) 6
 筆と蝋燭 S21/11 S22/1 <光>  自身(執筆と酒) 6
 菊坂の家 S21/9 S21/10 <主婦の友>  自身(本郷の下宿) 6
 夜半の寝覚 S22/3 S22/5 <文藝>  自身(亡妻) 6
 奇縁 S21/12 S22/3 <社會>  受取った手紙‐人違い 6
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S22.6.2夜」 とある 19

  
  第14創作集 「晩夏楼」 (S23.12.20発行 : 非凡閣刊)

 可憐 S22/7/25 不詳  自身?(未婚妹の子) 19
 古風 S23/2 S23/3 <婦人畫報>  自身(飲み屋の姉妹の妹)  7
 忌日 S22/6/8 S22/7 <文明>  自身(妻の1周忌) 6
 酒徒ざんげ S22/6/15 S22/9 <日本小説>  自身(妻と、過去・現在の酒) 6
 晩夏楼 S22/7/30 S22/9 <文壇>  自身(仕事部屋)  6
 襖一重 S22/9 不詳  同居人の子供の盗み 7
 清福 S22/8/4 S22/9 <小説>  自身(画家との交友)  6
 弔い鳥  S23/1 S23/2 <文明>  自身(S22/11・遺骨と帰郷・告別式) 7
 小さな蠣瀬川のほとり  S23/2 S23/4 <群像> 自身(同上・埋葬して滞在) 7
 子の消息 S23/2 S23/4 <別冊文藝春秋> 自身(同上・.帰郷時の子供とのこと) 7
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S23.4.23 雨間の夕」 とある 19

   
  第15創作集 「開運の願」 (S24.3.15発行 :装幀 吉岡堅二 : 改造社刊)      

 開運の願 S23/4/6 S23/4 <新潮> 自身(妹・義弟‐三つの部屋) 7
 雪安居 S23/3/15 S23/5 <文藝>  自身(原稿持参の若い娘) 7
 暮夜 S23/3/24 S23/5 <社會>  自身(飲み屋の女将と爺・婆) 7
 約束の家 S23/5/26 S24/1 <改造文藝>  長女が帰京(長女の手記形式) 7
 女客 S23/5/31 S23/7 <小説界>  自身(風変りな読者女性客) 7
 弁天町年代記 S23/2/2 S23/12 <心>  自身(昔の近隣達の今) 7
 素話 S23/6/22 S23/7.8合併 <光>  自身(再婚拒否・期待も・・) 7
 更年期  S23/8/6 S23/9 <世界文化>  自身(太宰の死) 7
 結婚の祝辞  S23/8/14 S23/12<サンデー毎日>  自身(若い編集者の結婚) 7
 母 S23 S24/1 <小説新潮>  自身(貧乏生活を気遣う母と物欲) 7
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S23.12.20 夜」 とある 19


  第16創作集 「姫鏡臺」 (S28.4.20発行 :装幀 鈴木信太郎 : 池田書店刊)      

 ロマネスク (S28初) S28/3 <新潮>  若い屑屋と老文学者夫人の物語 10
 柳の葉よりも小さな町 S27/8 S27/8 <別冊文芸春秋> 故郷の町 9
 姫鏡台 (S26初め頃) S26/4 <群像> 妹・睦子とのこと 9
 魔の夜 不詳 S24/11 <小説新潮>  酒処の女性とのこと 7
 愉しき晝食 不詳 S25/1 <スタイル読物版>  酒処の女性とのこと 8
 鄙の長路 (S25初め頃) S25/3 <読売評論>  回想部分は「欅日記」から 8
 緋文字 S26/5 S26/5 <人間>  レッドパージになった記者来訪 9
 零落者の群  不詳 S25/11 <改造>  文学志望者の来訪 8
 月魄(ツキシロ)  (S27末頃) S28/2 <群像>  最初の脳出血の再起 9
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に 「S28.3.30」 とある 19

  
  第17創作集 「珍客名簿」 
(S30.4.30発行 :装幀 鈴木信太郎 : 山田書店刊)

 珍客名簿 不詳 S25/11 <新潮> 愛読者、幼馴染(女)などが来訪 8
 鉛筆の家 (S25-26) S26/3 <別冊小説新潮> 昔の飲屋の亭主来訪、騙された 8
 扁平魚 (S27) S27/9 <小説新潮> 旧友の縁で赤坂芸者が来訪 9
 故舊 (S25-26) 不詳 駒込アパート時代住人夫人来訪 9
 恐怖 (S26) S26/12 <文学界> 警察官、税務署員、探偵社員来訪 9
 三人姉妹 (S28) S29/1 <小説新潮> 郷里の幼馴染(女性)来訪 10
 女勧誘員 (S25) S26/4 <小説公園> 女性再々来訪。正体は保険勧誘員 9
 薄命  不詳 S25/6 <ニューエイジ> 戦中の隣人の子供、数年ぶり来訪 9
 書店宛の手紙   「あとがき」に該当する内容で、末尾に「S30.3.8」 とある 19


  第18創作集 ・河出新書 「入社試験」 (S30.8.31発行 :装幀 向井潤吉 : 河出書房刊)
            
       (本扉裏に「この一巻を山本実彦氏の霊に捧ぐ」の献詞)   

 入社試験 (S26) S27/1 <別刷小説新潮>  改造社受験と選考委員の体験 9
 青春自画像 不詳 S26/1 <別刷小説新潮>  新入社当時の校正などの思い出 8
 述懐 (S25) S25/7 <風雪>  退社事情など原稿取り時代の述懐 8
 伏字 不詳 S29/4 <文藝>  改造社時代、伏字に纏わる体験 10
 酒の戒め (S28秋) S29/3 <小説公園>  世話になった改造社先輩がアル中 10
 遺児 (S26) S26/12 <心>  泉鏡花の弟(改造社)の遺児来訪 9
 インパネス (S29春) S29/7 <新潮>  古木鉄太郎のインパネスを貰う 10
 換気筒の影  S13/2 S13/3 <月刊文章>  改造社の同僚 2
 あとがき   本創作集の後書 : 末尾に「S30.7.25」とある 19


  第19創作集 「過ぎゆきの歌」 (S32.10.5発行 :装幀 川崎鈴彦 : 講談社刊)      

 過ぎゆきの歌 (S31-32) S32/6 <新潮>  隣村の河田夫妻(結核)の愛と歌 11
 説教聴聞 (S28) S29/2 <世界>  馴染みの店の夫婦と神父の説教 10
 光明院の鐘の音 (S29春頃) S29/7 <別冊文芸春秋>  荻窪の仕事場と光明院の思い出 10
 村八分 (S28春頃) S28/7 <中央公論>  父の選挙違反 10
 つつじを看る S32/2 S32/2 <群像>  帰郷した生家の衰えと時の流れ 11
 懸賞作家 (S31頃) S31/6 <文学界>  「改造」懸賞入選者の戦後の人生 11
 子の世代 (S29) S29/9 <群像>  息子とその同年の友人たち 10
 大懺悔  (S28春) S28/8 <改造>  ある高・大同期生の人生 10
 泰作咄  不詳 S28/6 <群像増刊号>  郷里の昔の奇人の言行録 10
 あとがき   本創作集の後書 :“重い意味を持つ作品を集めた”、末尾に「S32.8.26」とある 19


  第20創作集 「春の坂」 
(S33.7.25発行 :装幀 久保孝雄 : 筑摩書房刊)      

 春の坂 不詳 S32/12 <文藝春秋>  従姉の東京裁縫修行と帰郷-離婚 11
 イタリアの尼 (S26春) S26/5 <別冊小説新潮>  尼さん、飲酒、派出婦の誘惑 9
 三十年一昔 (S32夏) S32/10 <別冊文藝春秋>  亡妻の女学校同窓会に代理出席 11
 和日庵 S31/3 S31/3 <文藝>  隣人になった鳴海要吉との交友 11
 カム・バック (S27/9) S27/11 <文藝>  脳出血(S27/1)後、執筆再開の時 9
 絶食の季節 不詳 S33/3 <群像>  縁者二人、結婚・進学に悩み絶食 11
 舊病院 不詳 S28/5 <小説新潮>  小金井養生院長の死、妻の転院時 10
 卓上演説草稿  (S29) S29/12 <改造>  旧友の出版記念会に出席断念 10
 夏野  (S30夏) S31/1 <群像>  向井町(現下井草二)田圃情緒五題 11
 尋ネ人  S25/8 S25/11<別冊文藝春秋>   居所不明の義妹への呼びかけ  8
 苦渋三十年(あとがきに代へて)   本創作集の後書 :末尾に「S33.6.8」とあり、20冊に到達した感慨を綴っている 19


  第21創作集 「御目の雫」 (S34.12.15発行 :装幀 武林敬吉 : 筑摩書房刊)      

 御目の雫 (S33秋頃) S34/1 <群像>  帰郷、視力悪化の老父と子の情感 12
 ほほゑましき結婚 S33/11/28 S34/1 <新潮>  同郷の中年の画家志望者の結婚 12
 良ちゃんの幻 不詳 S32/12 <小説新潮>  酒処女将二人の奇妙な縁と友情話 11
 同窓会 不詳 S33/6 <新潮>  中学旧友・“民族の悲劇”書け!と・・ 11
 死と少女 (S28/11頃) S29/2 <群像>  末娘と病後の散歩・レコード購入 10
 四面館騒動 (S33夏) S33/9 <小説新潮>  金持ちの息子=下宿学生の行状記 11
 結構人 不詳 S33/4 <別冊文藝春秋>  老紳士の特異な人生観と夫婦生活 11
 岬の僧坊にて  S30/8/28 S30/8 <別冊文藝春秋>  足摺岬の僧坊に一泊の旅 11
 榮硯  (S28/夏) S28/9 <文藝>  井伏鱒二素描:出合い・酒・交遊 10
 深山の清水  不詳 S32/8 <群像>   腹痛で受診・胃腸バリュウム検査  11
 あとがき   本創作集の後書 :“纏めるのに骨が折れた”とある。末尾に「S34.11.18」 19


  第22創作集 「迷ひ子札」 (S36.6.10発行 :装幀 栃折久美子 : 筑摩書房刊)      

 迷ひ子札 (S35夏頃) S35/11 <新潮>  長女結婚・式スピーチと家庭を訪問 12
 美人畫幻想 (S34秋頃) S34/11 <新潮>  父と美人画・・病中老父への思い 12
 お月さん (S35春頃) S35/10 <群像>  老父の脳溢血後の家族の絆 12
 とんと (S33-S34頃) S34/4 <小説新潮>  帰郷・中学で同室の上級生と再会 12
 舊友交驩 不詳 S28/1 <小説新潮>  戦後、旧友3人が東京に戻り再会 9
 新年の客 (S35) S36/1 <新潮>  年始客1・.1・.2(小物ばかり・・) 12
 着物について (S28) S29/3 <別冊文藝春秋>  母の手織りの着物と母心 10
 市中隠栖  不詳 S35/1 <群像>  老作家(自身がモデル)の日常生活 12
 あとがき   本創作集の後書:最力点は「お月さん」とある。末尾に「S36.2.2節分の前夜」 19


  第23創作集 「諷詠詩人」 
(S38.7.20発行 :装畫 長谷川潔 : 新潮社刊)      

 諷詠詩人 S37秋頃 S38/2 <新潮>  俳・詩人の高橋鏡太郎がモデル 12
 小説青年社・その後 不詳 S38/4 <文藝春秋>  終戦直後のある文学青年の姿 12
 去年の薔薇 S37春頃 S37/11 <群像>  自身の境遇、外村、子供達結婚、妹 12
 目下帰省中 S36/5頃 S36/7 <新潮>  3〜5月帰郷・耕作機、旧友、火事 12
 生家にて S36 S37/1 <新潮>  S36・帰郷中の病父の看病−帰京 12
 展墓の章 S36 S36/10 <群像>  S36・昔の恋人、知人らの墓参 12
 大?の話 S37春 S37/6 <群像>  S37春帰郷・昔の鯨漁の思い出など 12
 番外番地からの手紙 不詳 S34/8 <新潮>  旧知人からの借金要請・応じたが・・ 12
 あとがき   本創作集の後書 :“最期の創作集になったかもしれない” 末尾に「S38.5」 19


  第24創作集 「白い屋形船」 (S39.11.20発行 : 講談社刊)      

 白い屋形船 S38/8 <新潮>  S37/11の脳出血入院時の幻想 12
 引越し S38/10 <群像>  S38/5隣の家へ引越し(終の棲家) 12
 坪井立町の八百屋 S39/1 <新潮>  五高受験の友人や下宿先への思い 12
 母ハルエ S39/2頃 S39/4 <群像>  母上京時(S38/11〜S39/1)の様子 12
 父イタロウ  S39/11 <群像>   父の多趣味(道楽)人生  12
 野山 S38/8 <文藝>  故郷の自然に食傷感で帰途不調 12
 伊豆を歩く女 S37/10 <心>  伊豆で出会った伊豆に憑かれた女 12
 なれの果て S37/9 <新潮>  昔成功した旧友の頻繁な借金来訪 12
 城ヶ島便り  S36/3 <文學散歩>  知人学生の招き、城ヶ島訪問・歓談 12
 女流畫家  S36/1<小説中央公論>  展覧会に出展の旧知の女画家二人 12
 近來の名文  S35/6<新潮>   老ファンの来訪や書簡で揮毫依頼 12
 仕事部屋附近 S35/6<別冊文藝春秋>    表札の主は小学生時の上級生か? 12
 狂院幻想  S35/2<新潮>    精神病院建築を息子が設計に思う 12
 あとがき   本創作集の後書 :病後は睦子が筆記・筆が伸びない短編。末尾に「S39.9.25」 19


  第25創作集 「ジョン・クレアの詩集」 (S45.1.30発行 : 筑摩書房刊)      

 ジョン・クレアの詩集 S44/5頃 S44/7 <新潮>  恩師(E.B)の手紙形で若き日の暁像 13
 坊 S43/11 S44/2 <群像>  再会直前に脳出血・・幼友達のこと 13
 中學一年生 S44/1 S44/4 <展望>  一年間寄宿舎生活中、父への手紙 13
 家寶 S44/6 S44/8 <學鐙>  川端康成の著書(S44/11に追記) 13
 柏島風景 S44/3頃 S44/10 <文藝>  中学同級の図書館長らと柏島紀行 13
 紅い部屋 S44/1頃 S44/11 <群像>  各時代に気になった他者の部屋三つ 13
 ふるさと S44/10 S45/1 <新潮>  帰郷した知人の行動で故郷を描写 13
 近況(あとがき)   本創作集の後書 :最近、矢継ぎ早に書きたくなった。。末尾に「S44.11.10」 19


  第26創作集 「朱色の卵」 (S47.3.3発行 : 装幀 瀧平二郎 : 筑摩書房刊)      

 筒井筒 S45/6 <すばる>  幼児からの女友達、その最近境遇 13
 萬年大學生 S45/6 <群像>  東大時上級生の友:40余年後来訪 13
 朱色の卵 S46/1 <新潮>  修道院へ寄稿:聖ヨの修道女来訪 13
 ほたるぶくろ S45/8 <新潮>  知人(S・T)からの歌と植物の便り 13
 幼い母 S46/7 <群像>  幼児の頃の若い母親との思い出 13
 新婚正月 S45/2 <文藝>  妻の新婚初正月の1日〜7日の日記 13
 文士 S46/9 <新潮>  担当した作家達:石川が“随筆”と批判 13
 山に死す S46/11 <新潮>  Fさん(深田久弥の仮名)の思い出 13
 四萬十川幻想 S46/12 <展望>  四万十川にまつわる故郷の思い出 13
 あとがき   本創作集の後書 :第三十創作集を目標。その第一歩。末尾に「S47.1.27)」 19


  第27創作集 「ばあやん」 (S48.5.24発行 :  装幀 横山明  依岡昭三 : 講談社刊)

 ばあやん S47/1頃 S47・1号 <季刊藝術>  可愛がってくれた祖母との思い出 13
 彌勒菩薩 S47春頃 S47/5 <群像>  飲み屋のマダムとの20年余の交友 13
 上野櫻木町 S47/5頃 S47/7 <文藝>  川端康成の死と担当時の思い出 13
 ブロンズの首 S47末頃 S48/4 <群像>  上林のブロンズの首の制作者のこと 13
 秋の終りの雨 S47秋頃 S48/1 <新潮>  上林の弟子的な友の離京と消息  13
 オシとツンボ S47 S48・1号 <季刊藝術>  上林と坪田譲治:童話創作で来訪 13
 あとがき   本創作集の後書 :三十創作集にこだわらない・・。末尾に「S48.4.10」 19


  第28創作集 「極楽寺門前」 (S51.9.30発行 : 装幀 久保制一 : 筑摩書房刊)      

 極楽寺門前 S49/1 <群像>  妹弥生の霊に捧ぐ:妻鎌倉別居時の上京 13
 黒鱒 S49/1 <新潮>  高年男女の恋愛:箱根泊旅行の物語 13
 卒業期 S50/5 <新潮>  五高卒業間際の熊本と帰省の思い出 13
 菊坂二丁目 S51/4 <新潮>  大学下宿時の友、下宿近辺の思い出 13
 駒込アパートメント S50/春季 <文藝展望>  新婚時のアパート住人の思い出と消息 13
 老女物語 S48/秋季 <すばる>  幼少時に親しかった従姉の人生、息子たち 13
 愛の詩集綺譚 S49/7 <群像>  室生犀星の詩集と衣巻省三とのこと 13
 あとがき   本創作集の後書 :第1回川端康成賞受賞が嬉しかった。末尾に「S51.6.18」 19

  第29創作集 「半ドンの記憶」 (S56.2.10発行 : 装幀 山高 登 : 集英社刊)      

 半ドンの記憶 S52/2 <すばる>  幼少時の腕白の友人を巡る思い出 13
 竜舌蘭 S53/2 <すばる>  既発表()「竜舌蘭の友」と同一題材 13
 トンネルの娘 - S54/5 <すばる>  郷里の自転車店の娘の人生と死 17
 造り酒屋 S55/1 <新潮>  父が造り酒屋をしていた時のこと 17
 許婚者の死 S55/2 S55/5 <すばる>  小中学校時代の知人一家とのこと 17
 非行中学生 S55/5 S55/7 <海>  中学校時代の友人、教師たちの思い出 17
 五平餅 S53/1 <新潮>  藤村の故郷馬籠へ亀井、河盛らと講演旅行 13
 あとがき :徳広睦子 S56/1記   本書は、上林が生前(S55.8.28歿)に集英社からの出版を決めていた。 19



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  ・「句集 木の葉髪」 (S51.7.1発行 : 永田書房刊)  

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   自選創作集 (計11冊)

 ・「二閑人交遊図」(手帖文庫)  (S21.12.31発行 : 地平社刊)
 
   「二閑人交遊図」、「郷土詩人」、「景色」、「町子」、「夭折記」
 
 ・「紅い花」  (S22.4.25発行 : 三島書房刊)

   「悲歌」、「散歩者」、「冬の栖」、「天草土産」、「花園に向いた部屋」、「擬寶珠」、
    「払暁」、「古屋敷」、「紅い花」、「紅い花後書」

 ・「海山」  (S22.9.15発行 : 新興芸術社刊)

   「海山」、「薔薇盗人」、「冬主義者」、「童女像」、「ちちははの記」、「鉄橋の別れ」、
    「龍舌蘭の友」、「流寓記」、「茨の道」

 ・「花の精」  (S22.11.25発行 : 小説新聞社刊)

   「花の精」、「明月記」、「殴られた経験」、「玄関抄」、「離郷記」、「あとがき」

 ・「病妻物語」  (S23.6.10発行 : 小山書店刊)

   「林檎汁」、「明月記」、「悲歌」、「命の家」、「晩春日記」、「現世図絵」、
    「聖ヨハネ病院にて」、「嬬恋ひ」、「あとがき」、「追記」

 ・「星を撒いた街」  (S23.10.25発行 : 白鳳出版社刊)

   「星を撒いた街」、「林檎汁」、「野」、「首途」、「貧窮問答」、「安住の家」、
    「烏の宿」、「京極と春子との関係」、「寒別れ」、「あとがき」

 ・「聖ヨハネ病院にて」  (S24.8.25発行 : 新潮社刊)

   「薔薇盗人」、「天草土産」、「野」、「二閑人交遊図」、「小便小僧」、「明月記」、
    「聖ヨハネ病院にて」

 ・「聖書とアドルム」  (S26.5.30発行 : 目黒書店刊)

   「安住の家」、「花の精」、「侘日記」、「大学構内」、「晩春日記」、「女戒」、
    「子の消息」、「草深野」、「春寂寥」、「聖書とアドルム」、「解説」


 ・「聖ヨハネ病院にて ー病妻物語全篇ー」  (S30.7.10発行 : 角川書店刊)

   「明月記」、「悲歌」、「命の家」、「晩春日記」、「遅桜」、「聖ヨハネ病院にて」、
    「嬬恋ひ」、「あとがき」 (解説:外村繁)

 ・「姫鏡臺」  (S32.3.30発行 : 角川書店刊)

   「きゃうだい夫婦」、「開運の願」、「姫鏡臺」、「柳の葉よりも小さな町」、「子の消息」、
    「マヅルカ」、「父母の膝下」、「鉛筆の家」、「桜貝」、「聖ヨハネ病院再訪」


 ・「三人姉妹」  (S32.9.10発行 : 小壺天書房刊)

   第17創作集「珍客名簿」と同じ

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   評論・感想・随筆集 (計10冊)

     ・「文学開眼」  (S14.7.20発行 : 赤塚書房刊)
      
      (「後書」に、「文学及び文学者に関する感想評論」とある。)
 
       「作家の心情」、「僕の文学開眼」、「アフォリズム以下」、「魯迅の遺言」、「藤沢清造氏の死その他」、
       「トオマス・マンの言葉」、「父と私の文学」、「芸術小説」、「短編小説について」、「新人の足跡」、
       「ペンを祭る」、「帰郷作家の言葉」、「弱小作家」、「田舎の感想」、「一作家の覚悟」、「匹夫の志」、
       「作家生活」、「私の文学的計画」、「古谷綱武氏の「川端康成」」、「志賀直哉小論」、「遺族の文章」、
       「1937年の小説界」、「努力と天分」、「新ロマンチシズムについて」、「田舎生活への思慕」、
       「上野博物館にて」、「文学開眼後書」(S14.6.21朝)
 
     ・「現代作家印象記」  (古木鉄太郎共著 : S14.12.20発行:赤塚書房刊)
 
     (「後書」に、「古木さんと二人で、雑誌記者時代に会った作家たちの印象記を纏めてみようか話し合った」とある。)

      「幸田露伴」、「長谷川如是閑」、「谷崎潤一郎」、「山のホテルの人々」、「宇野浩二」、
       「室生犀星」、「横光利一」、「川端康成」、「林房雄」、「後書」(S14.10.8夜)

     ・「小説を書きながらの感想」  (S17.10.20発行 : 文林堂雙魚房刊)
    
     (「あとがき」に、「最近の評論感想を輯めることとなった」とある。))

      「眠られぬ夜」、「わが評論の態度」、「文芸時評」、「純粋への郷愁」、「文章時評」、「私の小説勉強」、
      「若き世代について」、「新体制に面して」、「詩人の境涯」、「節度ある文学」、「小説を書きながらの感想」、
      「文芸時評」、「自己に即して」、「文学者の宿命」、「私小説私観」、「葛西善蔵」、「青春について」、
      「文学的忠言への感謝」、「私小説論議」、「文学と冒険」」、「文学の振・不振の問題」、「あとがき」(S17.6.4)

     ・「不断の花」  (S19.2.20発行 : 地平社刊)
     
      (「跋記」に、「随筆集と銘を打って本を出すのは、これが最初である。」とある。)

      
       「田園起居(村の散歩者・母校・田園小品<狐,山火事>・故郷抄・講・先祖祭・建碑式・田園ノオト・
       椎の実拾い・鉄橋の町・田園歳末記<区長改選の日,財産整理,郷愁>・土佐風景)」、
       「天沼雑記<心と影>(熊本市上林町・蘆花・酒匂郁也君を憶う・法隆寺の敬礼・署名帖・支那料理店
       ピノチオにて・かけた茶碗について・印象記<加能作次郎,谷崎精二,近松秋江>・苦難の日・旧友消息・
       正倉院御物拝観・作家生活瑣談・小袖貝の話・大正の本・正宗白鳥会見記・標本室・丸山晩霞遺作展・
       藤村近影・田畑修一郎追悼)」、
       「天沼雑記<風物篇>(天沼雑記・学校参観・花・N大学幼稚園・鶉の卵・秋祭り・ゆかりの家・迎春・
       夏籠り・命・一匹の蟲・小庭記・秋日抄)、「跋記」(S19.1.28ひる)
        

     ・「文学の歓びと苦しみについて」  (S22.11..10発行 : 圭文社刊)
     
      (「跋記」に、「僕の三冊目の評論感想集である。」とある。)

      
       「自序」 「戦争前の感想 :外的世界と内的風景・時局と文学のニ潮流・トーマスマンとハンスカロッサ・
       辛辣なる作家について・ジイドと藤村の場合・病気と仕事・苦悶の喪失」
       「戦争中の感想 :嘉村磯多・やっつけられた朝・僕の文学的故郷・徳田秋声氏の死・故郷への回帰・
       私小説の新意義・文学と處世・僕の読書・文学者の本然・表現への執着・東京にありて・純文学のために・
       現実に即して・作家の窮乏」
       「戦争後の感想 :新文化の建設・わが文学の途極静の地獄・文学時評・文学一家言・人間即文学・
       ジャナリズムについて・島木健作の「出発まで」・最近の文芸雑誌から」
       「跋記」(S21.9.24 彼岸の中日)
        

     ・「文と本と旅と」  (S34.5.10発行 : 五月書房刊)
     
      (「あとがき」に、「随筆集を出すのは、「不断の花」(昭和19年、地平社)以来である。」とある。)

      
       「文 :文学のニ十年・まともな文章・私小説を解明する・私小説作法・雪のニュアンス・モデル・本・
       古本漁り・本道楽・故郷の本箱・座右の書・「神曲」が三冊揃う話・荻窪の古本市・円本合戦時代・
       文芸誌今昔比較論・芳水詩集」 「 :南の正月・故郷の冬・ふるさとの海・海村行・諸国名物・甲州御坂峠・
       相州下曾我の風色・木曽馬籠・京都の思い出・鎮西遠望・旅の絵葉書・山気・水郷の旅・美幌の老婆・
       旅行上手と旅行下手」 「 :一酒徒・二級酒・阿佐ヶ谷案内・酒わすれ・酒の卒業生は語る・酒解禁・
       文壇酒友録」・「あとがき」(S34.4 東京・杉並・天沼)


     ・「土佐」(武林敬吉と共著)  (S34.11.15発行 : 中外書房刊)
     
      (「あとがき」に、「この「土佐」という本は、私のふるさと文集である。」とある。)

      
       収録作品=郷土作品 縞帳・柳の葉よりも小さな町・海山・四国路・郷土随筆・ふるさとの城・蠣瀬川懐郷・
       海・新穀感謝・故郷風物誌・椎の實拾ひ・冬・蜜柑いろいろ・南の正月・ふるさとの肴・春蘭・春・ウマメガシ・
       バッタ捕り・揚梅と黄平・夏・雨乞ひ・颱風の思ひ出・舊先生・城下・「坊さん」・慶禪の墓・亀五郎・一弦琴・
       海村行・未刊文集あとがき・「あとがき」(S34.10.24夜)


     ・「武蔵野」(現代教養文庫)  (S37.8.31発行 : 社会思想社刊)
     
      (「あとがき」に、「戦前から自然に溜まった、武蔵野に関する古い文章、新しい文章に、大竹新助君の
       美しい写真を配して、この本は出来上がった。」とある。)

      
       目次=野に出て・花の精・武蔵野文章・寒別れ・麦秋・春泥・高麗村・野草・多磨墓地・鴎外の墓・草深野・
       春寂寥・聖ヨハネ病院再訪・夏野・野猿峠の小鳥焼・蘆花墓前祭・奥多摩行・野の禅寺・「あとがき」(S37.8.3朝)
       

     ・「草餅」(装画:井伏鱒二)  (S44.4.25発行 : 筑摩書房刊)
     
       (「あとがき」に、「私は業病にかかってゐるから、もう本を出すことがないかも知れないと思ってゐたが、また出せる
        ことになったので、こんなうれしいことはない。」と書き、装幀の井伏や原稿整理の睦子に感謝の意を表している。)

       目次=二月堂の机 雙生児・甥の結婚・このごろ・早朝のテレビ・ヨシトモの夢・従姉の手紙・近況・病中読書・
       明治村版「吾輩は猫である」・全集について・主治醫・遠足・誕生日・秋元さん・草餅・大柳君・庭の柿の木・五目鮨・
       蒲池君の死・未亡人・暦・野良猫・巡囘工作班・隣のお手傳ひさん・わが家の郷土玩具・野鳥・白雀・秋草・
       コロ―・寄せ書・文學塔・高所恐怖症・雨端硯・二月堂の机・誕生日と月食・きのこ・合唱・お年玉・皺・鮎・立春大福・
       中山義秀来訪・除幕式・深大寺の森・鱒二焼・川端さんの染筆
       父の成績表 日露戦争の思ひ出・中風の思ひ出・オ一二・八甲田山の歌・讀本・星取表・戀文・橋本先生・
       五十銭銀貨・佐岡の一本松・白秋の思ひ出・校歌・前垂れの話・父の成績表・「坊ちゃん」の機関車・四寮六室・
       熊本市公會堂・熊本二題・卒業式の季節・邂逅・女優一色久子・澁谷百軒店と弁慶橋・帝国ホテル・日赤病院・
       Love and Humanity・妻の遺品・荒木巍十八年忌・中村地平追憶・のれんの話・前橋にて・芭蕉の碑・木山君の死・
       「柳の葉よりも小さな町」など・褒め貶し・「薔薇盗人」について 水野仙子と素木しづ子・大島野増にて・
       日記 暮春日記・あとがき(S44.3.1)
       「あとがき」(S44.3.1)


     ・「随筆集 幸徳秋水の甥」  (S50.8.25発行 : 新潮社刊)
     
       「あとがき」(S50.4.15)                

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上林暁の人生と作品